kintoneは使えない?
使えないと言われている理由と活用ポイントを解説!
kintoneは社内の業務改善するために非常に有効なクラウドサービスですが、使えないという声もあります。どのようなサービスであっても、使えないと言われるにはそれなりの理由があるはずです。
この記事では、kintoneが使えないと言われている理由から、kintoneをうまく活用するためのポイントまでを解説します。kintoneの導入を迷っている方は、ご一読ください。
社内でkintoneが使えないと言われてしまう理由
kintoneを導入したものの、社内で使えないと言われるケースも少なからずあるようです。便利なサービスであるkintoneが、なぜ使えないと言われてしまうのでしょうか。まずは、その理由について解説していきます。
社内の問題
kintoneが使えないと言われてしまう理由として、導入した会社内での問題が考えられます。具体的にどのような問題が起きているのか、いくつかあげていきましょう。
現場の声が反映されていないアプリになっているから
現場の声が反映されていないアプリになっていれば、使えないと言われても仕方ないでしょう。経営陣や管理職が使えそうだと導入したアプリであっても、現場で実際に使用するスタッフが使いにくいと感じれば、使えないアプリになってしまいます。
アプリを作成する際には、現場の負担が大きくなり過ぎないよう、実装する機能や入力項目を見極めましょう。ただし、利用者の使いやすさだけを優先して、業務効率化などの目的が達成できなければ本末転倒なので、ユーザビリティと効果のバランスを考えてアプリを作成する必要があります。
トップダウンのやらされ感で使用をしているから
トップダウンでkintoneを導入した場合、やらされ感が強くなってしまいます。実際にkintoneを利用するのは、経営陣や管理職ではなく現場のスタッフです。kintoneを導入する際には、実際に使ってみて、現場の働き方に合うかどうかを考えなければなりません。
しかし、トップダウンではどうしても他人事になりがちです。現場のスタッフに自分たちの仕事の効率化に役立つツールとして認識してもらえなければ、使えないアプリとみなされてしまうでしょう。
導入担当者のモチベーションの低下によりツールの改善が進まないから
導入担当者のモチベーションが低下した場合、ツールの改善が進まず使えないアプリとなってしまうこともあります。導入担当者は管理職と現場からの意見を聞きながら、ツールの改善を進めていきます。
しかし、両者の板挟みとなってしまうと、導入担当者のモチベーションが下がり、ツールの改善も進みにくくなってしまうことが考えられます。
システム的な問題
kintoneはさまざまな業種で使えるクラウドサービスアプリですが、システム的に不向きなシーンも存在します。
複雑な計算処理を必要とする作業に不向き
kintoneは、複雑な計算処理を必要とする作業には不向きです。Excelで使える関数に対応していないケースも多くあります。ただし、これはプラグインの導入で解決できる場合もあり、実際にプラグイン等を活用することでkintoneで管理会計をしている企業もあります。
kintoneを用いず複雑な計算処理にも対応できるアプリを開発する場合、多くの費用と時間がかかりますが、kintoneの使い方を工夫すれば、短期間に効率的なシステムを開発できます。
大量のデータを扱う基幹システムとしての使用に不向き
kintoneは、さまざまな種類のデータを扱う基幹システムとしての使用にはあまり向いていません。まったく利用できないわけではありませんが、利用する際には注意が必要です。
例えばデータの一貫性を保ちながら更新するトランザクションの仕組みが弱く、大量のデータ検索に時間がかかりやすいといった点です。そのため、在庫管理などに用いる場合には、慎重に設計して制限を回避できるようにするか、制限を許容する必要があります。
大量のデータを扱う分析基盤システムとしての使用に不向き
kintoneは大量のデータを検索するのに時間がかかりやすく、大量のデータを更新するのが苦手です。また、グラフ表示は簡単にできるものの、対象のレコード数に限りがあり、グラフの種類や表現力も制限されることから、分析基盤システムとしての利用にも向いていません。
分析基盤であれば、分析基盤専用のツールやサービスなどがあるため、そちらの利用をおすすめします。単純な分析で、途中までの集計は別のツールなどで行い、kintoneに連携する形であれば分析基盤として使えるケースもあります。
>kintoneの使いにくいという評判は本当?導入するデメリットとは
実はすごいkintone!kintoneが他ツールよりも優れている点
kintoneは使えないと言われることもありますが、ほかの業務改善ツールと比較してkintoneが優れている点も多くあります。ここからは、kintoneが使える点について見ていきましょう。
業務や業種を問わず使える
kintoneは充実した拡張機能によって、業務や業種を問わず活用できます。詳しくは後述しますが、カスタマイズ性が高く、業務内容に合わせて細かな部分までこだわれるので、どのような業務に対しても使いやすいシステムを組むことができます。
ITに詳しくなくても感覚で使える
特別な知識やスキルが必要なく、誰でも簡単に始められる点もkintoneの魅力です。実際に導入担当者の93%は非IT部門が占めています。
ドラッグ&ドロップ、エクセル読み込み、サンプルアプリの選択といった簡単な操作でシステム構築ができ、業務内容の変化にあわせたシステム変更もすぐに行えます。
カスタマイズ性がとても高い
kintoneが他のツールよりも優れているのは、何と言ってもカスタマイズ性の高さです。部署・業種別に100種類以上のサンプルアプリが用意されており、あらゆる業務に対応できます。
プラグインや外部サービスと連携して機能を拡張することも可能です。自社内で自由にカスタマイズできるため、一般的なシステムツールを使用するよりも自社に合ったものに仕上げられます。
データの蓄積や活用がしやすい
kintoneはデータを蓄積しやすく、蓄積したデータを活用できるのも特徴です。蓄積されたデータを集計、分析する機能まで搭載されているため、業務の改善に活かすことができます。
>kintoneによる顧客管理の業務効率化とは?アプリの作り方やコツについても解説!
自社専用のアプリを制作できる
kintoneを使うと、自社専用のアプリを制作できる点は大きな魅力です。一つの会社であってもいろいろな部署があり、それぞれ顧客管理から商品在庫の管理、領収書の精算などさまざまな業務があります。
体制は会社ごと異なるため、パッケージシステムの場合自社の体制に上手くマッチしない可能性がありますが、カスタマイズ性の高いkintoneであれば安心です。
便利な機能が随時拡充される
kintoneでは、ユーザーが開発した機能がプラグインとしてほかのユーザーにも共有されます。ユーザーが作ったユーザー目線のプラグインなので、必要性が高い便利な機能のものが多いです。こういったプラグインが次々と拡充されており、日々便利になっていっているのは大きな魅力です。
セキュリティに強い
kitoneは、データセンターに集められた情報を4重でバックアップを取ることで、データ損失のリスクを最小限に抑えています。
kintoneには複数のアクセス制限が設けられており、情報セキュリティマネジメントの認証も取得しています。
<kitoneのセキュリティ対策>
- IPアドレス制限:アクセスできるIPアドレスを制限し、想定外のアクセスをシャットダウン
- セキュアアクセス:クライアント証明書によって接続端末の認証を行い、接続できる端末を制限
- 2要素認証:ログイン名とパスワードによる認証に加え、認証アプリに表示される確認コードによる認証
セキュリティ専門のチームが常駐して監視している点も安心できるポイントです。
kintoneを活用するためのポイント
kintoneは使い方次第で非常に便利なツールです。そんなkintoneを最大限活用するにはどうすればよいのか、ポイントを解説します。
システム担当者を決める
kintoneの導入自体は簡単ですが、よりユーザビリティにこだわりたいのであればシステム担当者を決めておくほうがよいでしょう。カスタマイズの内容によってはプログラミングなどの知識とスキルが必要となるため、システム担当者はCSSなどを扱える人が適任です。
現状の課題を明確にする
kintoneを導入するだけでは業務改善はできません。自社における現状の課題を明確にし、どのような課題を解決したいのか、導入する目的を明確にしておきましょう。
具体的な例としては「現場の進捗状況がわかりにくい」「顧客情報を二重に管理していたことでトラブルが発生した」、「Excelに入力してのデータ管理や共有が限界である」などがあげられます。
業務フローを整理する
業務の課題が明確化したら、次に業務フローを整えていきます。業務フローが整えば、課題解決に必要なアプリを探しやすくなります。
業務フローを可視化することで、「この業務フローであればこのアプリが使えるのではないか」「この業務フローはなくしても良いかもしれない」などさまざまな答えが見えてくるでしょう。実際に利用するメンバーの意見をもらいながら改良していくことで、より使いやすく課題解決につながるアプリになっていきます。
現場目線で実装する
kintoneを活用するには、現場目線での実装が重要です。管理職目線で、あれもこれもと多様な機能を盛り込もうとして失敗するケースが多くなっています。
管理職の都合のみで導入や実装する機能を決めていくと、実際に利用する現場がkintoneの仕様に合わせなければならず、現場が付いていけない状況となってしまうことも少なくありません。
初めから完璧を目指さない
kintone導入当初から完璧な形を目指そうとする方も多くいます。しかし、これは現実的ではありません。「完璧に仕上げた」と思っても、ほぼ確実に不満や改善点が浮かび上がります。
また、例えば個々人が別々のツールでタスク管理している中で、どこまでkintoneでの業務管理を適用するか、といった運用上の問題も生じるはずです。
初めから完璧を目指すのはハードルが高くなり過ぎるため、実装・フィードバック・改善のPDCAを回しながら、徐々に自社にマッチするツールを組み上げていく、という中長期的な目線が大切です。
事業者に開発支援を依頼する
専門知識はいらないとはいえ、社内でkintoneの初期構築が難しい場合もあるでしょう。作成する時間が取れなかったり、標準機能だけでなく開発も必要であったり、ITの知識に長けている社員がいなかったりとさまざまな問題が考えられます。
そんなときは、専門の事業者に開発支援を依頼することも一つの方法です。費用は事業者によって異なりますが、より便利にkintoneを活用するには、依頼を検討する価値はあるでしょう。
kintoneは使えない?まとめ
今回は、kintoneが使えないと言われている理由、kintoneがほかのツールより優れている点、活用するためのポイントを解説しました。
使い方や利用したい業務によっては活用しにくいケースもあるものの、プラグインを導入することで解決する可能性もあります。工夫次第でコストを抑えて使いやすいツールを作れるのがkintoneの魅力です。
kintoneは導入してからがスタートです。課題を明確にした上で改良を重ね、よりよい業務フローを作り上げていきましょう。