CRMの種類は?事業属性や目的別のCRMについて解説
CRMの導入時、さまざまな種類のCRMがあるのでお悩みではないでしょうか。代表的なツールにSales CloudやZoho CRM、kintoneなどのツールがあります。この記事では、事業属性と目的の視点からCRMの種類を解説します。
まずはCRMの概論について理解したい方は以下のページをご覧ください。
CRMの種類:事業属性
事業属性に応じたCRMの種類について紹介します。企業規模と顧客の対象を基準にセグメントしました。
大企業/中小企業のCRM
CRMのベンダー各社は、導入企業の規模に合わせた特徴的なサービスを提供しています。大企業向けCRMは、従業員数が多く、ビジネスが大規模な企業をターゲットにしています。豊富な機能や多数のアカウントで運用できることが大きな特徴であり、AI(人工知能)などの最先端技術を活用した高度な分析機能を備えたものもあります。ただし、一般的には初期費用や月額費用などの料金相場が高めです。
一方、中小企業向けCRMは、導入しやすい低コストの価格設定で、必要最低限の機能を備えたものが特徴です。基本的な機能だけで運用する場合は、シンプルなCRMが適しています。ビジネスの規模や自社のニーズに応じて、種類を比較して検討しましょう。
BtoB/BtoCのCRM
ビジネスでターゲットとする顧客の違いにより、CRMに求められる機能が異なります。
BtoBビジネスでは、取引先に関する詳細な情報や担当者の名刺データなどを取り扱います。したがって、BtoB向けのCRMには、顧客の組織情報や名刺管理などの機能が搭載されています。
一方、BtoCビジネスでは、個人消費者がターゲットなので、企業は個別のアプローチを行う必要があります。そのため、BtoC向けのCRMには、顧客のアクションや販売チャネル別のデータなど詳細な分析機能が搭載されています。
自社の顧客に合わせて、マーケティングの成果につながるCRMを選びましょう。
CRMの種類:目的別
戦略型CRM
顧客とのやり取りを重視し、顧客視点の戦略を立てるために役立つ戦略型CRMは、ビジネスにおいて長期的な顧客関係の構築が重要な場合に特に有効です。この種類のCRMは、顧客データや市場の動向を把握して、事業戦略を策定するために役立ち、「戦略型CRM」と呼ばれます。
戦略型CRMは、カレンダーやリマインダーシステムの同期、連絡先管理、顧客とのやり取りの追跡、リード獲得・リードクオリフィケーション、パイプライン管理、セグメンテーションなどの機能を提供して、顧客との関係構築を支援します。これらの機能を活用して、顧客とのやり取りを調整し、顧客体験を向上させることが最終的な目標です。
例えば、顧客の好みに合わせてコミュニケーション方法を選択し、顧客との関係を深めることができます。戦略型CRMを活用することで、顧客との良好な関係を構築し、ビジネス成果を上げることができます。
運用型CRM
運用型CRMは、顧客対応に関する社内業務を効率化することで、自動化を推進して顧客関係管理を合理化します。手動でプロセスの一部を行っている場合、運用型CRMを導入することで作業時間を短縮して効率化することができます。
運用型CRMは、一般的にカレンダー・リマインダーシステムの同期、連絡先管理、マーケティングオートメーション、メールマーケティング、ワークフローオートメーションなどの機能を提供し、自動化によって時間を節約できるだけでなく、社内のさまざまな業務で顧客情報が利用しやすくなります。運用型CRMが最適な組織としては、顧客データの管理作業の負担が大きい組織である会計事務所や法律事務所が挙げられます。また、複数のチャネルから情報を収集している場合にも適しています。
運用型CRMを導入することで、効率化による時間の短縮や自動化による顧客情報の利用しやすさが実現されます。このため、適した組織に導入することで、顧客対応に関する社内業務を効率化し、業務の負荷軽減や成約率向上などの効果が期待できます。
分析型CRM
顧客データを分析し、意思決定に活用するためには、分析型CRMを導入することが重要です。分析型CRMには、優れた分析とレポート機能があり、見込み客とのやり取りから成約までの期間、経常収益、トップアカウント、顧客維持率などの指標について詳細な情報を提供してくれます。
このような分析機能によって、売上トレンドの監視や顧客データの収集が容易になります。リード獲得やクオリフィケーション、パイプラインやテリトリーの管理など、顧客ライフサイクル全体をカバーする機能もあります。そのため、顧客データのパターンを認識し、顧客の集客、維持、育成までをトータルに把握することができます。例えば、営業パイプラインのどのポイントで顧客が離脱しているかを把握すれば、カスタマーサービスの課題を解決するための情報になり、営業チームと共に新しい戦略を検討することも可能です。
分析型CRMは、営業強化やターゲットを絞ったマーケティングキャンペーンを展開する組織にとって最適なツールです。分析型CRMを導入することで、目標を達成し、高い価値を得ることができます。
コラボレーション型CRM
コラボレーション型CRMは、顧客サービスの向上を目的とし、複数のチームや部門が協力して業務を改善するための機能を提供します。運用型CRMや分析型CRMは主に業務や営業の改善に重点を置いていますが、コラボレーション型CRMは戦略型CRMと同様に、顧客サービス向上に注力しています。
コラボレーション型CRMの機能により、チームメンバー全員が共通の認識の下で顧客とのやり取りを行うことができます。具体的には、連絡先管理、顧客とのやり取りの追跡、タスク管理などの機能が提供され、チーム間のコミュニケーションを促進するための機能も備えています。
営業、マーケティング、カスタマーサポートなどの部門が個別に活動している場合、顧客データが縦割りで管理され、特定のチームしかアクセスできないような状況が生まれます。このような場合、全社的に一貫性のあるカスタマーサポートを提供することが困難になりますが、コラボレーション型CRMを利用することで、部門間の円滑な連携が可能になり、情報共有が容易になります。
コラボレーション型CRMは、社内チーム間や社外のステークホルダーとの協力を改善したい場合に最適であり、複数のサテライト拠点や支店を運営している組織にも適しています。信用組合、外食チェーン産業、医療クリニックなどがその例です。
自社に応じた種類のCRMを導入しよう
CRMの種類について事業属性の視点と目的別の視点から解説しました。当社では主に中小企業向けのCRMであるZoho CRMやkintoneを活用したCRMの構築などが可能です。これらのCRMがどのような企業様に有効かという知見があるので、お悩みの際はぜひご相談ください。