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COLUMお役立ちコラム

2022年3月9日

kintoneで顧客管理を行う方法|アプリの作り方やコツについても解説!

顧客情報を蓄積し、分析することで営業のアプローチは大きく変化します。顧客管理はマーケティングでも重要なポイントですが、管理方法によっては作業に手間と時間がかかってしまうことも少なくありません。そこで役立つのがkintoneの顧客管理機能です。

今回は、kintoneで顧客管理をするメリットとその方法を解説します。kintoneの導入を考えているものの、具体的にどのような効果が期待できるのかイメージできないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

>>kintoneとは?概要や特徴をわかりやすく解説

>>トムスのkintone支援サービスを詳しく見る

【この記事で分かること】
・kintoneで顧客管理を行うメリット
・kintoneでの顧客管理アプリの作り方
・kintoneで効率的な顧客管理を実現するポイント

kintoneで顧客管理を行うメリット

kintoneで顧客管理を行うことで次のようなメリットが得られ、大幅な業務効率化が期待できます。

  • 情報の一元管理ができる
  • 顧客情報を常に最新の状態に保てる
  • どこからでも情報を確認・分析できる
  • コストを抑えて顧客管理ができる

情報の一元管理ができる

kintoneを使えば、顧客情報や案件情報を一元管理できます。システムを導入せずに顧客の管理をしている場合、顧客の名刺や案件ファイルなどの保管場所が散在してしまい、顧客の情報を探すのに時間がかかるケースも少なくありません。

kintoneを使えば、クラウド上に集約した顧客や案件の情報が社内でデータベースとして共有され、見える化されます。これにより、情報の分散や二重対応、対応漏れを防止でき、顧客管理や案件管理などの業務の効率化が実現します。

顧客情報を常に最新の状態に保てる

kintoneを使うと、顧客の情報を常に最新の状態に保つことができます。顧客情報が社内で共有されることで、社員や顧客の状況に応じて顧客にどうアプローチするのか、マネジメントもしやすくなるでしょう。

過去の対応状況や進捗状況もすぐに確認できるため、個人ではなく社内のチームで案件に対応できるようになります。担当者の変更による引き継ぎもスムーズです。

どこからでも情報を確認・分析できる

kintoneは、情報がクラウド上で管理されます。そのため、社内だけでなく出先や家など、どこからでも情報の確認や分析ができるのが特徴です。

出先から情報の確認はできても、分析までできるシステムは多くありません。kintoneなら出先などで情報を分析し、どのように顧客にアプローチをするかといった戦略を立てることが可能です。

会社に戻らなくても迅速な対応ができ、業務の効率化を図れます。近年増加している在宅勤務との相性もよいでしょう。

コストを抑えて顧客管理ができる

kintoneのプランごとの費用は以下の通りです。

ライトコース スタンダードコース ワイドコース
月額 1,000円/1ユーザー 1,800円/1ユーザー 3,000円/1ユーザー
最小契約ユーザー数 10ユーザー 10ユーザー 1,000ユーザー
アプリ数 ~200個 ~1,000個 ~3,000個
※必要に応じて上限の相談可
スペース数 ~100個 ~500個 ~1,000個
※必要に応じて上限の相談可

kintoneは初期費用が無料であり、毎月の利用料にはユーザー数ごとの従量課金制を採用しています。

また、kintoneで構築できるアプリは顧客管理だけではなく、売上管理や在庫管理、勤怠管理、プロセス管理といった多様な自社業務を効率化できるアプリを作ることができます

それぞれの業務管理ツールを個別に導入する必要がないため、幅広い業務に対して導入することで、通常の顧客管理ツールよりもトータルで高いコストパフォーマンスを発揮できるといえるでしょう。

>>kintoneの売上管理で業務効率化!導入に向いている企業とは?

>>kintoneの在庫管理をバーコード化する方法!

>>kintoneで勤怠管理は業務効率化できる?導入がおすすめのケースや事例も紹介!

>>kintoneのプロセス管理とは?メリットや設定方法を解説

kintoneでの顧客管理アプリの作り方

それでは、kintoneで顧客管理アプリを作る方法について見ていきましょう。顧客管理アプリを作るには、自分でいちから作成する方法と、「営業支援パック」をベースに自社用にカスタマイズする方法の大きく2つがあります。

自分で顧客管理アプリを作成する方法

まずは、自分でいちから顧客管理アプリを作成する方法について解説します。

1.顧客管理アプリ用のスペースを作る

顧客管理アプリを作成際、まず部署やチームごとに「スペース」を作成することで管理がしやすくなります。スペースとは、いわばアプリを入れておく場所、箱のようなものです。

まずはkintoneを開き、「スペース」の右側の+(プラス)ボタンから「スペースを作成」を選択します。

スペース名には、部署名などの任意の名前を入力し、メンバーは登録せずに「スペースのポータルと複数のスレッドを使用する」のチェックリストにチェックを入れてから保存をします。

上記の手順で「スペース」が立ち上がります。スペースの名前やスペースに参加するメンバーは、後から変更や追加が可能です。

2.顧客管理アプリを作成する

スペースの作成が完了したら、アプリの作成に入ります。

まずスペース内の右側にある「アプリ」の+(プラス)ボタンを押し、「はじめから作成」を選択しましょう。

作成画面には「文字列」や「数値」などのパーツが用意されており、それをフォームにドラッグ&ドロップするだけでアプリが作成できます。

エクセルや顧客台帳で顧客の管理をしている場合は、その項目を配置していきましょう。配置したパーツにカーソルを合わせ、歯車アイコンの「設定」から顧客管理をしたい情報を登録し、保存をしていきます。

必要な項目の配置が完了し、「アプリの公開」をするとアプリに情報を登録できるようになります。

アプリ内の項目の変更は、アプリ右上にある歯車アイコンから、作成時と同じ方法で行えます。

>>kintoneの基本的な使い方を徹底解説!上手に活用して企業の生産性向上を

「営業支援パック」を活用する方法

上記のように、顧客管理アプリをいちから作成する方法以外に、kintoneアプリストアにサンプルアプリとして用意されている「営業支援パック」を活用する方法もあります。

引用:営業支援パックを使ってみよう | kintone ヘルプ

営業支援パックは、最初から項目が設定されたアプリのひな形のようなもので、「顧客管理」「案件管理」「活動履歴」という3つのアプリで構成されています。

アプリをはじめて作成するkintone初心者の場合は、こうしたサンプルアプリを利用し、項目を自社用にカスタマイズして使用するのも一つの手です。

参照:営業支援パックを使ってみよう | kintone ヘルプ

kintoneで効率的な顧客管理を実現するポイント

kintoneは、使い方を工夫することでさらに業務効率を高められます。kintoneで効率的な顧客管理を実現するポイントは以下の通りです。

アプリはできるだけシンプルに作る

アプリをできるだけシンプルにするのもコツです。業務を効率よく進めるには、「誰でも簡単に使えるアプリ」でなければなりません。入力項目が多い複雑なアプリは、入力に手間取り、時間がかかって非効率です。

入力の手間を極力減らしながら、顧客管理に必要な情報を確実に登録してもらえる設計にしましょう。例えば、確実に登録して欲しい項目はドロップダウンで入力できるようにし、そのほかは文字列での手入力にするといった方法です。

kintoneは簡単にアプリの項目の追加・変更・削除ができるので、実際に運用しながら改善していけます。

業務ごとにアプリを分ける

kintoneを使って効率的に顧客管理をしたいなら、業務ごとにアプリを作るのがコツです。同じ内容の仕事をしているチームのメンバーごとにアプリを作ることで、そのチームに必要な情報を効率よく共有できます。

必要のない情報まで共有してしまうと、「自分のチームには関係ないから」とその情報をチェックしなくなったり、確認に無駄な時間を取られたりします。

営業・管理・サポートなど、チームごとにアプリを立ち上げ、それぞれが必要な情報だけを確認できる形でシステムを構築すれば、業務効率はさらにアップするでしょう。

また、アプリ内の情報が多くなればなるほど、メンテナンスやアップデートにかかる手間が大きくなります。それを防ぐ意味でも、業務ごとにアプリをまとめ、それぞれに必要な情報のみを付与するのがおすすめです。

ルックアップ機能で複数のアプリを連携する

kintoneには「ルックアップ機能」が搭載されており、ほかのアプリで登録された情報を参照したり、その情報をコピーしたりできます。

この機能によって、顧客情報を別アプリからルックアップ機能でコピー・入力すれば、作業時間の大幅な短縮が可能です。手入力による入力ミスを防げるメリットもあります。

引用:ルックアップとは | kintone ヘルプ

ただし、ルックアップ機能によりコピーされる情報は、ルックアップを実行した時点の情報です。参照(コピー)元の情報が変更されても、参照先の情報は更新されないので注意しましょう。

アプリ間の情報更新はプラグインで自動化する

アプリ間の情報更新は、プラグインで自動化するのもおすすめです。前述のルックアップ機能は参照元の情報が更新されても、参照先のアプリの情報は更新されないため、顧客の社名などが変わった際に手動で変更しなくてはいけません。

手入力は業務の圧迫、ヒューマンエラーの原因となるため、プラグインで自動化して効率化を図りましょう。例えば「条件分岐処理プラグイン」は無料で使用することができ、アプリ間更新以外にも複数の機能(自動入力・自動コピー、日付の自動計算、入力不要項目の非表示など)が包含されている利便性の高いプラグインです。

こうしたプラグインを使えば、kintoneの標準搭載機能では不足する部分を簡単に補えます。上記以外にも、さまざまなプラグインが公開されており、無料でも使いやすいものが多くあります。必要に応じてプラグインを導入して、さらなる業務効率化を図りましょう。

関連レコード一覧で見たい情報だけを絞り込む

kintoneには、「条件に一致したレコード」を表示できる「関連レコード一覧」機能が搭載されています。この機能では、同じアプリだけでなく、ほかのアプリの内容も表示されます。そのため、案件と顧客のデータを別のアプリで保管している場合でも、レコード一覧機能を使って顧客に紐付いた案件情報を表示することが可能です。

引用:関連レコード一覧とは | kintone ヘルプ

関連レコードは、ワンクリックで詳細を確認でき、参照先のレコードが更新された場合は関連レコード一覧データも更新されます。

関連レコード一覧を表示させるには、アプリ作成時に「関連レコード一覧フィールド」を配置し、参照したいアプリ、紐づけるフィールド、一覧に表示させたいフィールドを設定するだけでOKです。

絞り込み検索ができるプラグインを導入する

顧客数が多い場合、kintoneの標準機能のみでは目当ての顧客情報を探しにくく不便に感じるかもしれません。そこで、検索プラグインを導入して、検索窓から絞り込み検索ができるようにすることをおすすめします。

以下のようなプラグインを実装することで、「会社名」「担当者名」「都道府県」といった項目で絞り込み検索が可能になり、業務効率の向上につながります。

検索拡張プラグイン – kintone(キントーン)- プラグイン・連携サービス | サイボウズの業務改善プラットフォーム

検索プラグイン – kintone(キントーン)- プラグイン・連携サービス | サイボウズの業務改善プラットフォーム

既存の顧客一覧からデータを一括登録する

エクセルなどで顧客情報を管理している場合、それをkintoneの顧客管理アプリに一括で取り込むことが可能です。エクセルからのデータ一括登録は以下の手順で行います。

  1. kintoneアプリの項目と既存のエクセルの項目内容を揃える
  2. アプリ右上の三点リーダー(・・・)をクリックして、「ファイルから読み込む」を選択
  3. 「参照」をクリックして既存のエクセルファイルを選択
  4. 参照後、先頭行がフィールド名かどうかを既存のエクセルの情報にあわせて選択
  5. エクセルの項目とkintoneの項目の対応付けを行う(項目名が完全一致している部分は自動で入力される)
  6. 左上の「読み込む」をクリックして、エクセルデータを取り込む

kintoneの顧客管理を活用した成功事例

kintoneを使って顧客管理に取り組んだ事例を紹介します。以下2つはkinotneの公式サイトに掲載されている成功事例です。

エネチェンジ


引用:エネチェンジ – kintone(キントーン)導入実績30,000社 – 導入事例 | サイボウズの業務改善プラットフォーム

電力・ガスの見直しサービスサイトを運営するエネチェンジは、2016年からkintoneを導入しています。kintoneを導入する前は数千にも及ぶ顧客情報をExcel形式のスプレッドシートで管理していました。

しかし、データが増えていけばその分容量も重く動作しづらくなり、さらに行を追加することで計算式がズレてしまい、結果的に顧客への連絡が漏れてしまうこともあったそうです。

こうした問題を解決しようとkintoneが導入されました。スプレッドシートで扱っていた情報をすべて集約し、顧客の専任担当者も設定することにより、抜けがない密なサポートを実現しています。

かつては家庭向け電力自由化に伴う問い合わせの増加に対応が追いつかない状況が続いていましたが、kintoneの導入によって情報管理が効率化され、CMを見た顧客からの問い合わせにも十分な対応が可能になりました。

導入後には従来の15倍もの案件を抱えるようになり、成約の大幅な増加につながっています。

リーグル

引用:ジール – kintone(キントーン)導入実績30,000社 – 導入事例 | サイボウズの業務改善プラットフォーム

BtoBマーケティングや新規営業分野での事業展開を手掛けるリーグル株式会社は、多くの顧客に対してセールス・マーケティング支援を行っており、数万件ものExcelデータを取り扱っていました。

しかし、この膨大なデータに複数人が同時にアクセスすることで、ファイルが動作しなくなることも多かったそうです。また、各担当者でExcelデータを分けて各自営業に取り組んでいましたが、営業後に再度エクセルを統合・集計していたため、その作業にも時間が掛かっていました。

脱Excelを実現するため、リーグルではkintoneが導入されます。結果として脱Excel化は成功し、ファイルの分割や統合・集計作業がすべて不要になり、年間400時間もの作業時間削減を実現しています。

kintoneで顧客管理を効率化しよう

今回は、kintoneで顧客管理を行うメリットと活用のコツを紹介しました。顧客や案件の情報は属人的に管理すると煩雑化しやすく、Excel管理では動作が遅くなるなどのデメリットもあります。

kintoneなら顧客情報をすべて一元管理でき、場所を問わず情報の確認・分析が可能です。また、現代のリモート環境での勤務ともマッチします。

kintoneは2万社以上の導入実績を誇り、多くの会社が業務効率化を実現しています。顧客管理の効率化に悩んでいる方にとって、解決策のひとつとなるでしょう。

トムスでは、有資格者がkintoneの導入からシステム開発まで伴走支援いたします。「kintoneを導入したいけどアプリを開発するリソースがない」「アプリの設計から運用まで相談できる先が欲しい」など、お客様の状況に応じて適切なご提案が可能です。

トムスのご支援事例や各種お役立ち情報のホワイトペーパーを、以下のページからダウンロードいただけます。kintoneの価格や導入の流れについても詳しく解説しているためぜひご一読ください。

>>kintoneの使いにくいという評判は本当?導入するデメリットとは