5Gが与える地方へのインパクト

執筆者
中川豊章
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日本は何故5Gに力を入れているのか?

5Gは簡単に言えば大容量通信を高速化したシステムです。 ドコモやソフトバンク、au等の通信各社が早い段階での普及を目指して研究、試験を繰り返しています。各社が東京に5Gを体感できる施設を作り積極的に展開をしています。

日本が5Gの普及を急ぐ理由は2つあると思います。 1つ目は2020年の東京オリンピックです。開催時には海外から多くの観光客が来るので、世界にインパクトを与えたい。もちろん開会式やスポーツのデジタル観戦など、より多くのデータ通信をしながら今までと違ったスポーツ観戦を実現させたいということもあるので、みながスマホでいつでもどこでもオリンピックを見ることもできるようになっていると思います。

2つ目が5Gは日本が世界にリーダーシップを発揮できる可能性のある数少ない産業であるということです。5Gを最大活用するためには通信網の発展が必要となるので、日本のように隅々まで通信網が整備されている国はあまりない(あえて言えば韓国)。いずれにしても世界的にみて相対的に高い競争力を誇る産業が少なくなった日本にとっては、5Gで覇権を取らないわけにはいきませんね。それこそ東京オリンピックという大見本市が2020年にあるというところで考えても、大方の想像通り遅くても2020年、2019年ころから5Gの活用は確実に始まるということです。

地方が5Gで受けるのは「地方創生」という恩恵か?

5Gが普及することで大きく何が変わるかというと、「一般の人がいつでもどこでも動画など大容量のデータ通信を行って情報取得することができる」ということです。 多くの人が動画などの大容量通信の際は自宅等のWi-Fi環境で閲覧しています。これが5Gの世界になるとデータ量が大きくても安価に早く通信できるので、見たい時に好きな場所で見ることができるようになります。これは本当に大きなインパクトになるのではないでしょうか?

「いつでも、どこでも」ということになると、動画やVR等の情報に接するタイミングが格段と増えることになります。今、地方は人口減少などにより観光客誘致などに躍起になっていますので、今後動画やVRでのプロモーションがより活性化すると予想されます。その観光地に興味を持ってくれた時に、見せたい情報をよりリアルに伝えることが重要になるので動画やVRは今後のプロモーションの鍵になってくると思います。 ここだけ聞くと5Gは地方にとって恩恵であるという結論なりそうですが、地方行政の対応次第ということになると思います。地方ごとに5Gの世界にどこまで備えられるかで大きな観光格差が広がることが予想されます。動画やVR等を即時性を保った状態で訴求できる地方は観光業が伸びるでしょうし、何も準備しない地方は観光業が衰退していくことが予想されます。観光客の母数もマクロでみれば決まっていますので、可処分時間の取り合いということを考えれば、取り組むことの速さが重要であることはわかるのではないでしょうか?

また限界集落や田舎の医療や教育の問題も5Gの世界で解決できるといわれています。医療であれば遠隔から腕のいい医師がロボットを操作して手術をしたりできますし、教育ではNTTのCMにもありましたが、生徒数が少なく教員も確保できない学校でも、動画やVRで中心部の学校と同様の授業を受けることができるようになります。こういった環境をいち早く整えることが、地方の移住問題にも直結します。

まずはわかりやすいところはインフラに関係する領域での対応になりますが、動画やVRが一般的に普及すると、地方の企業も動画を活用したマーケティングなどで安価に効果を生むことができるようになります。あと1年半程度ですが5Gの世界は準備したもの勝ちの世界になりそうなので自分で出来る事を準備してチャンスを手に入れたいものですね。

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