産後すぐの仕事復帰をスムーズにする、妊娠中にやっておきたい準備とは

厚生労働省が実施した令和3年度雇用均等基本調査によりますと、復職する女性の34%が育休を「12か月~18か月未満」取得し、その次に多いのは「10か月~12か月未満」でした。ただし、中にはできるだけ早く復職を望む方もおり、その一環として「産後パパ育休」の活用を考えている方もいます。復職に向け、妊娠中から準備を進め、パートナーとの協力を得ながら円滑な復職を目指すことが重要です。

 

参照:厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査の結果概要」

 

まずは家族でライフプランを立てる

早期の職場復帰を望む場合、国の規定では出産日の翌日から8週間は就業が認められませんが、産後6週間経過後に医師が「支障がない」と認めた業務に従事することが可能です(労働基準法第65条)。早めの復職を考える際には、出産後のキャリア構築や理想の生活について家族で話し合い、収入の影響を試算することが重要です。2022年10月以降は社会保険料が免除され、育児休業給付金も考慮することで、ファイナンシャルプランナーに相談するなどプロの助言を得ることも有益です。

 

パートナーにも育休取得を検討してもらう

産休は出産する女性専用ですが、育休はパートナーも取得可能で、2022年10月からは産後パパ育休が導入され、柔軟な取得方法が可能です。育休取得の選択肢として、交代で取得する、同時に取得する、分割して取得するなどがあり、具体的な取得方法は家族の状況に合わせて検討することが重要です。

 

認可外も含めて保育園を探す

職場復帰に向けて重要なステップの一つが「保活」であり、これは保育園に子供を預けるための活動を指します。共働きの場合、親族のサポートが難しい場合を除いて、通常は認可保育園が主要な預け先となります。保育園への入園は生後57日目から可能であり、自治体に問い合わせて認可保育園のリストを入手することがスタートです。待機児童の中で0歳児の待機率は比較的低く、園の選定後には早めに見学の予約や認可外保育園も検討することが重要です。

 

*²参照:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月1日)」

 

会社に復職後の働き方を相談する

育休明けの復職に向けて、家族との話し合いを経て復帰の希望を直属の上司に相談することが重要です。通常、復職後の配属先は人事部が担当しますが、希望や条件を事前に伝えることで柔軟な対応が期待できます。妊娠前の働き方と同様の条件が難しいかもしれませんが、自身のキャリアや働き方の希望を明確に伝え、家族や会社とのコミュニケーションを大切にすることが肝要です。また、会社が提供する育児に関連する福利厚生やサポート制度についても調査し、必要ならば人事担当者に問い合わせるべきです。

 

出産後は、産後ケアを利用してしっかり体を労る

産後の早期復職は、心身の健康が前提です。産後は貧血やホルモンの影響により、体調不良や心の不安定さが生じることがあります。無理な復職は回復の遅れを招く可能性があります。仕事復帰に向けては、十分な休息が必要です。親族のサポートが難しい場合は、自治体が提供する産後ケアサービスを活用することが考えられます。これらのサービスは医療機関や助産院を通じて提供され、自治体によっては助成金が支給されることもあります。お住まいの自治体にお問い合わせして具体的な情報を得ることが重要です。